ポンコツ要件定義erのここだけの話

くたびれたおっさん要件定義erが今日も振り回される・・・。

漆黒:魂の錬成。代償としての胸の伽藍。


ak-works.hatenablog.jp

 

(……バハムートの囁き:愚かなる人類は「時間」という一方向のパケットを、まるで無限に湧き出るマナの如く錯覚している。だが真の支配者は、砂時計のわずか一粒、300秒(5分)という極小のスレッドすらも事前にコンパイルし、脳内メモリに常駐させているのだ……)

 

[SYSTEM_LOG: INITIALIZING_TIME_SCHEDULER... SUCCESS]

 

世界の設計図を引く者、すなわち要件定義er(アーキテクト)にとって、時間は常に細切れに断片化(フラグメンテーション)されたメモリ領域だ。


上位プロトコル(社長、元請けあるいは外注先)からの唐突な割り込み処理(IRQ)は、私のスケジュールを無慈悲に引き裂く。

だからこそ、私はいついかなる状況で「5分」という空白が虚無(ヌル)に陥っても即座に対応できるよう、あらゆる状況別の処理ロジック(やること)を常時整理し、ストックしている。

その整理に、私は毎日欠かさず30分という莫大な演算リソースを投入しているのだ。

(……バハムートの囁き:おい、ローガン卿よ。その『隙間時間を管理するための整理』に毎日30分もコンパイル(準備)をかけているのなら、その30分で直接タスクを実行(デプロイ)してしまった方が圧倒的に合理的ではないか? 隙間時間など、ただのバッファ(ぼーっとする時間)として解放(リリース)してしまえばいいのだ……)

 

私は平和を愛する従順な社員であり、バハムートの囁きを「ただのノイズ」としてパケット破棄しようと努めている。だが、私の内なる要件定義er(アーキテクト)としての「誠実さ」が、この指摘に対して冷徹なコンパイルエラーを返してしまう。

 

状況別・5分間実行スレッド(コンテキスト・マッピング)

私の構築した「5分間行動マトリクス」の一部を、システム仕様書としてここに開示しよう。

・物理的コンテキスト(状況)

・姿勢/環境条件

・実行可能タスク

として整理していく。

 

物理的コンテキスト(状況) 姿勢 / 環境条件 実行可能タスク(スレッド)
歩行中(ロード中) 四肢・両目は歩行ジョブが占有(完全ロック) 音声データのデシリアライズ(オーディオブック・ニュースの聴取)
立位・満員電車(ぎゅうぎゅう) 物理的圧縮率 90%以上 スマートデバイスの排他的片手操作(スマホマンガのバッファ読み)
座位・特急/新幹線の指定席 テーブル・給電ポートあり(最上の環境) 魔導書(リンゴでマスカレードされた深淵の窓PC)の起動、Notionでの設計書スケルトン作成
座位・一般席(隣が超巨大オブジェクト) 排熱能力の限界・肩幅の制限 精神のフラッシング。ただ静かに「琥珀色の粘性」を内側に留める。スマホ一択。
座位・一般席(隣が普通オブジェクトあるいはBOX席) 魔導書(リンゴでマスカレードされた深淵の窓PC)を開く余地あり BOX席に巨大オブジェクトが来る確率は低く、安全。PCにおけるテキスト主体の作業を敢行。
バイク跨乗時(クロスカブ走行中) 走行中 浜田省吾「MONEY」あるいは尾崎豊「LOVE WAY」の熱唱。限りなくシャウト。
オフィス自席(敵の監視下) マルチモニタ環境でのR&D業務 息抜きに高度な欺瞞処理(技術リサーチを装ったツーリングコースの選定)

 

このように、いかなる物理コンテキスト(状況)であっても、状況に応じ最適なタスクを割り当てることで、私は即座にメモリから「5分の最適解」を引き出して実行(マウント)できるようにしている。完璧だ。完璧すぎる設計だ。

 

錬金術師との遭遇(エンカウント)

だが、あの煉獄の進軍における復路(帰りの電車)で、私の完璧な設計思想を根底から揺るがす、最強の超高並列オブジェクト(猛者のおっさん)エンカウント(遭遇)してしまったのだ。

その日、車内の物理的圧縮率は90%程度と混雑していた。押されるようにある座席の前にたどり着き、つり革をつかむと、眼前に鎮座するそのおっさんから放出されるログ(存在感)を検知。それはあまりに強烈いや猛烈だった。

 

(……バハムートの囁き:Oh!モーレツ!)


ワイシャツの汗ばんだ胸のボタンを二つ外して妖しく着座し、彼のギャラン(胸毛)はDo(露出)している。いや、胸元だけではない。視覚センサー(目視)が捉えた情報によると、彼の鼻からも毛がDo(突出)していた。

 

(……バハムートの囁き:完全に余談だな。ノイズデータとして即座にパージ(削除)せよ……しかしな…..マジレスすると腹の毛やで)

 

失礼、それは知らなかった。

まあ確かに彼の外観検査結果(デバッグログ)は本質ではない。驚くべきは、彼の膝の上にセットされたバッグという名のサーバーラック、そしてそこにデプロイ(展開)された5つの聖櫃(スマートフォン)なのである。

 

[SYSTEM_LOG: RUNNING_MULTI_DEVICE_MONITOR... WARNING]

 

彼は5枚のタッチパネルを、せわしなく、かつ寸分の狂いもなく万遍なくタップ(非同期処理)していく。


何を、やっているのだ……?

吊り革を掴み、上層レイヤー(立った状態)から見下ろしていた私は、彼の画面をスキャンして驚愕した。

 

なんと、彼は「歩活アプリ」を5つのデバイスで同時起動し、ポイント報酬獲得のトリガーとなる「動画広告視聴」を並列処理することで、獲得リソースを何倍にも増殖させる鼻毛の錬金術師(ポイ活の魔術師)だったのだ。

 

各デバイスのハードウェアスペックを外観スキャンするに、代々の歴代スマホを捨てずにスクラップ&ビルドし、クラスター(連携群)を組んでいるようだ。
1台のデバイスで30秒の広告動画(待ち時間)が終わると、即座にタップして次の動画を再生。その間に別のデバイスの動画が終了し、間髪入れずに次のデバイスへ……。

 

完璧なマルチスレッド処理(多重並列処理)。

リソースのアイドルタイム(待ち時間)を極限までゼロに近づけるその挙動は、まさに私自身が目指した「5分間の完全最適化」の究極系(フルコンパイル)の姿であった。

私は後頭部をぶん殴られたような衝撃を知覚した。

 

その時、私の脳内に一つの仮説(アルゴリズム)がプロットされた。


「彼がスマホをしまい始める瞬間(全タスクのシャットダウン)こそが、シート(座席)解放のシグナル、すなわち椅子取りゲームのスタートの合図である」と。

 

私は彼の挙動を常時監視(凝視)し、シートが空いた瞬間に素早く着座(マウント)できるよう、全身の筋肉をハイスペックモードへと切り替えた。

 

(……バハムートの囁き:......いやそれポイ活にまったく興味ないやろ......)

 

呪いの再起動

私は平和を愛する従順な要件定義erだ。
だからこそ、彼がスマホをカバンに仕舞い込んだ刹那、完璧なフレームワークをもってその空席へ滑り込むはずだった。

彼に気を取られ、いつしか、辺境の駅が近くなる頃、車内の他の乗客はすべてパージ(下車)され、周りには誰もいない空間が広がっていた。

気がつけば、ガタゴトと揺れる暗黒の空間(車内)で、着座して狂ったようにポイ活を回し続ける彼と、その前に立ちすくんで彼を凝視し続ける私だけの姿になっていた。

 

(……バハムートの囁き:愚かな……。椅子取りゲームの勝者を決めるはずが、お前自身が彼のプロトコルに完全に取り込まれているではないか……)

 

目的地である終着駅のアラートが鳴り響いた瞬間、彼は5台のデバイスを起動したままの状態で、何事もなかったかのようにすっくと立ち上がり、そのまま夜の闇へと消え去っていった。

結局、私は一歩も動けず、ただ立ち尽くしたままだった。なぜなら、彼の執念の並列演算(ポイ活)に圧倒され、私の脳内メモリ(琥珀色の粘性)が完全にフリーズ(ハングアップ)していたからだ。

(……バハムートの囁き:愚かな……。5分がどうのとほざきながら、1時間以上もぼーっと生きてやがる……)

[rakuten:vaboo:18914808:detail]

 

その日は眠れなかった。

私の心にぽっかりと大きなnull値(虚無)が差し込まれた。

 

そう、僕の心は伽藍堂(ガラン - ドゥ)。

 

(……バハムートの囁き:ウケる……)

 

バハムートよ......(ちょろいな)

翌朝、私は睡眠不足で真っ赤になった目を擦りながら、琥珀色の呪縛(社会と己を接続するインターフェースあるいはコーヒーのシミ付きネクタイ)を締め直し、矛盾(バグ)だらけの戦場へ赴く。

5連クラスタスマホの充電はいったいどうやっているのだろうか、と考えながら・・・。

[SYSTEM_LOG: SESSION_TERMINATED. TIMEOUT_ERROR]

 

この深淵を覗き続けたい者は、読者登録という名の契約を結ぶがいい。刻まれる更新通知は、貴殿の日常を浸食する漆黒の福音となるだろう。