ポンコツ要件定義erのここだけの話

くたびれたおっさん要件定義erが今日も振り回される・・・。

漆黒:偶像の秘匿と、論理による去勢


ak-works.hatenablog.jp

 

深淵の底、完璧にマッピングされたはずの工数表が、下俗な脅迫によって書き換えられようとしていた。

「公国(元請け会社)の大公(カリスマ社長)」という名の、絶対的なルート権限(root)を盾にした脆弱な論理。目の前の担当者は、自らの演算能力を放棄し、上位プロセスの威光を借りて咆哮するだけの、中身のないシェルスクリプトに成り下がっていた。


1. 初期化:致命的な例外処理(Exception)

要件定義後の修正、しかも明日までに。

著名な公国(開発会社)が受注した作業を傭兵(下請け)として対応している。

大公(社長)は業界ではカリスマ。その騎士団長(担当者)は、尊大な態度で告げた。

大公(元請け社長)がやれと言っている。やらなければどうなるかわかっているな?

その瞬間、私のシステムは臨界点に達した。琥珀色の粘性を帯びた脳髄が、冷却ファンを唸らせて再起動し、顔面から噴出する。 沈黙という名のタイムアウトを待たず、私は理性のプロトコルを無視した「魔獣モードのリブート」を敢行した。

「はあ?なにいってんだおめえ」

魔獣モードの私の口からから放たれたそれは、論理的な対話レイヤーが崩壊し、剥き出しのパケットが空間を支配した瞬間だった。一瞬の静寂。それは全データが消失した瞬間の、あの無慈悲な白さによく似ていた。

はあ?何言ってんだおめえ。

2. 演算:偶像の防壁(Read-Only)への書き換え

私は、動揺する彼のインターフェースに対し、逃げ場のない「正論のパッチ」を執拗に適用し続けた。ここでの肝は、真実の追求ではない。「大公(社長)という偶像」を不可侵の領域へ隔離することによる、騎士団長(担当者)の完全な孤立化である。

  • 「大公(御社の社長)はそんなことを言う方ではない」 たとえそのカリスマが裏で泥臭い指示を出していようと、それを表層へ出力した貴様の「変換モジュール」がバグを起こしているのだと断じる。
  • 「大公(社長)の顔で仕事をするな、あなたの顔で仕事をしなさい」 外部API(社長の威光)への依存を禁じ、ローカル環境(自らの実力)という名の、不毛な荒野へ彼を叩き落とす。
  • 「泥を塗るような真似はやめなさい」 大公(社長)という名のカーネルは常に完璧であり、汚れているのは常に周辺機器(貴様)である――。

彼が「いや、大公(社長)が本当に言ったんです」とログを提示した瞬間、彼は主君の顔に泥を塗った反逆者として、公国(組織)からデリートされる。認めなければ、独断で暴走したマルウェアとして断罪される。 どちらを選んでも、待っているのは「孤独な強制終了」だ。


3. 終了:再起動の誓約と、琥珀色の慈悲

「すみませんでした。何とかお願いします……」

カリスマという偽りのファイアウォールを剥ぎ取られた彼は、今やコーヒーのシミ付きネクタイよりも無残に汚れ、処理落ちした画面のようにフリーズしている。

私は、全能感とわずかな虚無を混ぜ合わせ、最小限のリソース(援助)を割り当てた。 それは救済ではない。プロジェクトという名の「終わらない呪い」を延命させるための、最低限のコード修正に過ぎない。


結び:孤独の確定

嵐は去った。 デスクトップには、また完璧な孤独が戻ってきた。 私は、あの茶褐色の呪い(チョコの残滓)に隠蔽魔法(クッション)を施した椅子に深く沈み込み、琥珀色の呪縛(ネクタイ)を緩めた。

「社長はそんなこと言わない」――。 この欺瞞に満ちた聖域を守り続ける限り、このシステムが正常に動作することはない。 だが、その歪みこそが、私と彼を繋ぐ唯一の、そして最も呪われた通信プロトコルなのだ。

魔導書(PC)には彼からのメールの文字が浮かび上がる。

「手配、ス ス メ テ イ タ ダ ケ マ ス カ ・・・」

私は、その文字に既視感を覚えたが、部下からのIRQ(割り込み)によって放念した。

部下にACK(会話の終了)を送ると、私は冷めてしまった漆黒のコーヒー(ミルク入り)をすすり、夜の作業に備えた。

 

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